Akiko Horiuchi
宮林 妃奈子
土に隠れた文字のしっぽ
2024年1月19日(金) - 2月25日(日)
Photography: Osamu Sakamoto
Gallery38では、宮林妃奈子による初の個展「 土に隠れた文字のしっぽ 」を開催いたします。
1997年北海道に生まれた宮林は多摩美術大学を卒業後、東京藝術大学大学院に進学し、同年ベルリン芸術大学視覚芸術学部に編入。2023年マイスターシューラー*を取得後、現在は東京藝術大学大学院修士課程に在籍しています。学部在学中より圧倒的な力量で注目を浴び、その後のドイツ留学を経て着実に作品を進化させてきました。
*ドイツの芸術大学における最高学位
宮林はオイルペインティングを中心に、コラージュなど様々なメディウムを使用しながら、一貫した世界観を表現しています。まるで日記のように日常的にドローイングを生み出すことで、日々「描くこと」と自分自身との距離を見つめ、「描く」「描かれる」の関係性が持つ傲慢から自由になり、慣性から離れるように、少しずつ違う場所へ自分を動かしていく。素材と対峙したり支配するのではなく、素材から受け取るものを自分の表現に織り交ぜていく。そんな柔軟性と謙虚さで受け止める世界観が、静かで力強いイメージへと変換されていきます。
「風を描きたい」と語る宮林ですが、「風」とは瞬間で通り過ぎていくもの、を表していると言えるでしょう。自らの知覚がとらえた微かな瞬間の情景、感覚を見落とさず、手のひらで受け止めるようにして、その心情を平面に表現していきます。
3度の冬を過ごしたベルリンの、灰色の空と適度な湿気。その空気の層や膜は表現のトーンにも少なからず影響を与えました。「今ここで見えるもの」にこれまで以上に目を凝らし、より色数や手数を抑えながらも静かで雄弁な画を表現する力を身につけたと言えます。
今回、在学中よりグループ展にて作品発表を行ってきたGallery 38において、満を持しての初個展となり、作品は全てドイツより帰国後今回の展覧会のために描き下ろした新作となります。同時期に開催されるオペラシティ・アートギャラリー project N93 での展覧会と併せ、より多くの方々にご覧いただけましたら幸いです。
作家略歴
1997 北海道生まれ
2019 ベルリン芸術大学美術学部交換留学(Mark Lammertに師事)
2021 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2023 ベルリン芸術大学美術学部修了
マイスターシューラー取得(Thilo Heinzmannに師事)
現在、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻在籍
主な個展
2024 「土に隠れた文字のしっぽ」, Gallery 38, 東京
「project N 93 宮林 妃奈子」, 東京オペラシティー アートギャラリー, 東京
2023 Galerie Bernd Kugler, インスブルック, オーストリア
主なグループ展
2024 「Window Gallery in Marunouchi from AATM」, 行幸地下ギャラリー, 東京
2023 「Traces」, Galerie Guido W. Baudach, ベルリン, ドイツ
「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」, 大倉集古館, 東京
2022 「コミテコルベールアワード 2022 The beauty of imperfection」,
東京藝術大学大学美術館, 東京
2021 「三菱商事アート・ゲート・プログラム 2020 年度奨学金制度奨学生作品展」,
MC FOREST, 東京
2018 「Future Artists Tokyo スイッチルーム」 [ Art Fair Tokyo 2018 ], 東京国際フォーラム, 東京
受賞
2021 アートアワードトーキョー丸の内 2021 建畠晢賞
出版
2019 宮林妃奈子(絵), 佐藤壮生(文) 『Border Book 境界の旅』 Hadashi Books
展覧会概要
宮林 妃奈子
「 土に隠れた文字のしっぽ 」
会期:2024年1月19日(金) - 2月25日(日)
開廊時間: 12:00-19:00
休廊日: 月、火、祝日
会場: Gallery 38
東京都渋谷区神宮前2-30-28
tel: 03-6721-1505
- Artist Information -
宮林 妃奈子
2024年1月12日(金) - 3月17日(日)
Window Gallery in Marunouchi - from AATM
2024年1月17日(水) - 3月24(日)
Tokyo Opera City Art Gallery・project N